⑦メガネの話二
メガネはいつもVCで
「自分が好きな人とだけ話したい」オーラを出した。
彼がいつもVCの中心で話すようなタイプでなかったら、それもそこまで気にならなかっただろう。
ただ彼は沈黙を許さなかった。(許してくださいしんどいから)
司会者メガネは、特に柚子がVCに来るとたがが外れた。柚子しか見えなくなった。柚子を中心とした自分の好きな人とだけ話したいオーラが酷くなった。
私はみんなと話したかった。
団長とも、柚子とも、みんなで話したかった。
でも私は司会者から無言で「あまり話したくない人」にチョイスされている空気を感じていた。
柚子も団長もあまりそれに気づかなかった。
この不満は入団して間もない頃から少しずつ溜まっていった。
いつだったかVCで泣いたことがある。
私が少し羽目を外して、私はオフ会で柚子と話したい話したい、メガネに取られたくないと言ってたとき、「そんな風に言ってると、みんな気を悪くするよ」と団長に注意された。
はしゃぎ過ぎたと反省した反面、あれ?と思った。
なぜメガネのそれは許されるのか?と。
彼の方が確かにもっと強かにしているが、しかし彼は私よりずっと、柚子ばかりに話しているし、私はずっと気を悪くしてきたのに。
柚子の前は団長に対してそうだったし、私はその時も嫌な思いをした。
団長がVCから落ちた後、私は、自分だって柚子と話したいんだと、泣いた。
なぜメガネは許されて私は許されないのかと。
みんな、メガネはいいんだと言った。
君はあまりに態度に出し過ぎると。
ただ一人、毎日はVCに来ないある団員だけが「メガネのあれもどうかと思うけどね」と言った。
この出来事をとてもマイナスに捉えたのが柚子だった。
私からそこまで想われることが不快だったらしい。(メガネのは良いらしい)
そんな風に揉めるのなら、自分が団を辞めれば平和になるのでは…?と思いだしたようだ。
私のありのままの存在が柚子を苦しめていたらしかった。
それはとても
悲しかった。
私の存在を否定されてるようだった。
でもどうしていいか何もわからなかった。