つきあうまでの話
団長とは毎日ように別のゲームをしていた。
あまり自分から話してこない団長と、まだ緊張していてあまり話せない私。
無言の時間の方が長くて、だけど毎日自分から一緒にゲームをしに来てくれるので、私は日に日に安心していって、少しずつ自分からいろんな話をするようになった。
日向さんとの不安定な恋愛についても相談していた。
二日後に日向さんに会いに行くという日。
そのことについては団長には話していなかった。
夜、話したいことがあると言われて呼び出されて出向いた通話先。
団長は少し躊躇した後、丁寧に整えられた言葉で、私のことがずっと好きだったと言った。
人を好きになったことも、その人が別の男を好きでいることに寂しさを覚えることも初めてだと言った。
どこかの大地から一つの芽が出た気がした。
新しい何かがこの世に一つ生まれた気がした。
その瞬間を目の当たりにした。
私は団長をカッコいいなと思っていた。いいなと思ってた。
恋かというとわからなくて、白黒ハッキリつけられなくて、うまくコミニケーション取れなかった。
日向さんが来るようになって、惹かれて、あっという間に好きになった。
誰とでも打ち解ける日向さんと口下手な団長、私は二人とも大好きで大切だった。
告白してくれてありがとうと繰り返す以外
この時は何もできなかった。
それでもその日以降私はなぜか団長によく通話をするようになっていった。日向さんを好きなはずなのに自分でもよくわからなかった。
日向さんに会いに行っても日向さんの言うままに(同じ部屋で泊まりたいって話)流されなかったのは、心の中に団長の存在があったから。
日向さんの街から帰ってきて、私の心は決まっていた。団長と付き合うことになったのなそれから間もなくだった。