空飛ぶ舟で、ひとりごと

グラブルのブログ。女性騎空士の、お空の上での日々の気持ちを書き連ねる。攻略系の話はゼロ。

⑤団長との話し合い一(オレンジとすみれの話)

ある日団長から話があると言われた。

私は何か楽しい話かなとご機嫌にそれに応えた。

 

深夜12時。

団長と通話を繋ぐと、なぜか団長はそのままさっき団のVCで盛り上がってた話の続きをした。柔らかく優しい話し方だった。

 

少し変な感じがした。

 

それから団長は本題を話し始めた。

一つは、すみれとオレンジという団員の話だった。

 

すみれは私が仲良かった団員で、彼とオフ会をしたこともあった。彼は団VCで常に盛り上げ役を買ってでるムードメーカーだった。

 

すみれは自分がいじられ役になることで場を盛り上げることを喜びにしていたし、それは少し強迫的にも見えた。彼は団VCが無言になることに耐えれなかった。

 

彼は私が困ったことがあればすぐに優しく話を聞いてくれる、「何かあったら何でも相談しな」と言ってくれる頼れるお兄ちゃんのような人でもあった。

 

彼とオフ会をした時に、近くに住んでいるという理由でオレンジという団員も誘った。

 

オレンジは私たちより前から団に在籍していたが、あまり頻繁には団VCには顔を出さず、顔を出しても落ち着いていてそんなにはしゃがない女性団員だった。

 

私たちはオフ会を通じて以前より仲良くなった。

特に何かスイッチが入ったようにオレンジと仲良くなったのはすみれだった。

 

大人の余裕あるお姉さんのオレンジと、お姉さんにからかわれることを嘆きながら喜ぶすみれのやり取りは、団VCで日に日に加熱した。

 

 

 

その会話はあまりに二人の世界になるので、私は疎外感を感じたし、それは他の団員もそうだった。

 

しかしその二人のやり取りを基本的にはみんな笑っていたし、そのおかげでそれまで会話に入れなかった団員が会話に入れるようにもなっていた。

 

それでも二人の会話が行き過ぎると団長が怒って場を凍らせていた。すみれはそんな団長に怯えるどころか、心の中で笑う人だったので、彼は自分をいじらせようと団VCに種を蒔き続けた。

 

すみれとオレンジの会話は二人で盛り上がり、いつのまにかまたオフ会をしようという話になっていた。

 

私の知らない間に盛り上がり進行していたその話に、私もいつのまにか参加することになっていた。詳しい話は何も聞かされないまま、私も二人の悪ノリに何故か参加させられていた。

 

私にとっては、あまりに二人が盛り上がるので、全く会話に入れず面白くも何ともなかった。

オレンジが来る前は、すみれのばら撒くいじられ花を拾って遊んでいたのは私だった。

 

急にすみれとも話が出来なくなって私は寂しかった。加えて私を払い落とす司会者メガネもオレンジがタイプだったらしく、可愛い可愛い性癖に刺さると団VCでのろけ始めたので、私はいよいよ何も言えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、受け身だった。

人の多い団VCが怖くて、なかなか自分を堂々と出せなかった。

 

司会者メガネや、ムードメーカーすみれの手中にいて、彼らが私に会話を振らなくなると、私は何も話せなくなった。

 

メガネもすみれも団VCの沈黙に耐えれない人だったので、彼らがいるときはテレビのバラエティ番組のようなVCの会話のまとまりや笑いと、休めない息苦しさや緊張感があった。

 

彼らがいないときの方が私はみんなと話せた。そういう時は、誰かが誰かとだけ話したいという空気はなく、みんながみんなと話そうとするので、私も落ち着いて楽しく話せることが多かった。

 

しかし長時間稼働の団VCで、参加率の高い二人がどちらもいないというときはほとんどなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はオレンジさんに負けないからね?」

 

「へぇ?私に勝てるなら勝ってみて?」

 

「じゃあ次のオフ会で握手勝負をしよう。

握手し続けて先に照れて目線を逸らした方が負け。」

 

「いいよ。勝てるといいね?」

 

「くそ〜!絶対俺は勝つ!」

 

 

 

 

 

すみれとオレンジのこんなやり取りが団VCで毎日続いた。

 

何で男女がベタベタ握手大会するのに無関係の私が付き合わなきゃいけないの?と思った。

 

 

だけど私が参加しなければ、二人はオフ会という体裁を守りづらくて気まずい思いをするだろうと思った。

 

からしばらくは、私も楽しいんだと自分に言い聞かせ、オフ会に参加する予定でいた。

 

しかしあまりに毎日続く団VCの二人の掛け合いにしんどくなって、二人にハッキリと本音を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はオフ会には行けない。

私は可愛いオレンジさんに嫉妬していた。

すみれと話せなくなって寂しかった、と。

 

本音を話すことは私にとって最大の誠意だった。

「可愛いから嫉妬した」は私にとって最大級の褒め言葉でもあった。(私が言われたら喜び狂う)

 

しかし二人にとっては恐らくそうではなかったことを、私は後日痛みと共に知ることになる。

 

私が二人に本音を話すと、二人は丁寧に謝ってくれた。オフ会に参加しないことを快く了承してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

団長はこの件について話を聞いてきた。

私とオレンジがギクシャクしていると、団で誰かが噂していたようだ。

 

それを耳にした柚子が、私から嫉妬だのDMだのされて苦しんでるのは自分だけじゃない、自分だけなら自分さえ我慢すればいいと思っていたが(←????)、すみれも苦しんでるなら団長に相談しなければ、となったらしい。

 

団長は私とオレンジの件について、両者から話を聞いて納得したようだった。

 

「嫉妬したとまで話したのは良くなかったね。

それを言ったら相手がどう思うかを考えて発言しなきゃいけないよ?」

 

団長は優しく諭すようにそう言った。

 

どう思うか考えたから発言したのだが、そこまで団長に反論出来る余裕がなかった。

 

なぜなら私は泣きじゃくっていた。

すみれとオレンジのことでも悩んでいたので、泣くのに時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

 

そしてこの日前後からオレンジとすみれは私を避けるようになった。あんなに丁寧に謝っていたのに、「これからも仲良くしてね」とオレンジはあの時私に言ってきたのに、なぜ急にそうなったか、私には今もわからない。

 

ただ胸に、いつまでもガラスの破片が刺さったままのような、二人に関して感じるのは、そんな感覚。