やきもちやき
どうせVC行っても
私は拗ねるだけだから行かない。
「どうせ」という言葉ばかり
使っている。
どうせ柚子ちゃんとろくに話せないもん。
どうせメガネ君にとられてしまうもん。
どうせ私だけみんなと違って
アニメもゲームも声優もボカロも疎くて
だから話合わないもん。
楽しそうに話すメガネ君と柚子ちゃんとみんなの会話を、私は上手く話に入れず、メガネ君にヤキモチ焼いて、拗ねて落ち込むのだ。
柚子ちゃんと同性だから
異性嫌いな柚子ちゃんの前で自由に振る舞う、
柚子ちゃんに好きに甘えて好きにからかって
好きなだけ柚子ちゃんを好きと言えるメガネ君に
何も恐れずそれを言えるメガネ君に
私はたまらなく嫉妬するのだ。
私が悩んで葛藤してることの一欠片も知らないくせに。
…なんて。
言ってることが子供。
だからあんまりVCに
行きたくない。
自分が女であることを引け目に感じるなんて
おかしいよ。
私が勝手に柚子ちゃんの目を気にし過ぎて
引け目に感じているだけだけど。
団員のすみれをからかうことが私は好きで
みんなからからかわれ役のすみれもまた
そうされることを楽しんでいた。
だけど可愛い女性団員のオレンジが
私よりずっと話が上手くて、可愛い声で、
すみれとの掛け合いが上手くて、
私は弱くてすぐにすみれが強く出るけど
彼女は強くてすみれを手の上で転がせてしまう。
そのやり取りがおもしろくて
みんなを笑わせて和ませてる。
私だとそうは上手くいかないのだ。
一回り以上年下のすみれに私は転がされてしまうから。
私は気づいたらどうすみれをからかえばいいのかわからなくなって、可愛くて会話の上手い彼女とすみれのやり取りを、ヤキモチを焼きながら聞いている。
それが面白くなくて
またVCに行きたくない理由のひとつである。
書き並べると悲しくなるほど
まるで小学生か幼稚園児の言い分のよう。
私はほんとに自分に自信がない。