失恋みたいに
新しい団、まだ馴染めてはないけど、
少しだけ馴染めたかもしれない。
今日は一日、爆破っていうコンテンツをある団員としてた。楽しかった。
何時間もペア相手と単純作業を繰り返すこのコンテンツ。VCを繋いで、ポツリポツリ話したり、黙って各々好きなことをしたりしながら、ゲーム内の必要アイテムを黙々と集める。
それはまるで同じリビングに集まって、何か話したり、それぞれゴロゴロしながら好きなことをしているようで。
やっぱり私にはそんな家の中のイメージがあって、だから相手の温度を少しずつ感じれるようになる、そこが好き。
沈黙を共有出来る緩さが好き。
柚子ちゃんと十姉妹くんと私、三人で初めて仲良くなったのも、この爆破が最初だった。
その頃はまだ柚子ちゃんは団に馴染んでなくて、ガチガチの公務員のように猫を被っていた。
その猫を文字通り爆破したのがこのコンテンツだった。
二人にとっては大したことない出来事だったのかもしれないけれど、私は三人で初めて仲良くなれたことが、宝物のように大切だった。
思い出にしてずっとずっと心の記憶の宝箱の中に入れておこうと思った。
新しい団の人と爆破を出来て楽しかった。
落ち込んでた心が少し救われた。
前の団から落とされた私を、受け入れてくれる。
まだみんなに馴染めてなくても、受け入れてもらえる場所があるだけで、気持ちが落ち着いた。
今の団の人と爆破をして、何気ないことで笑って、だけどふと心に浮かぶ。
前の団のこと、柚子ちゃんのこと。
そして寂しさが押し寄せてきて、爆破をしながら目の端に涙を浮かべてぼーっとしてしまう。
なんでみんなは今も楽しそうで
私だけは外に放り出されて戻れなくなってしまったのかって、悲しくなる。
失恋と変わらない。
大好きな団だった。