団長になった経緯。5
彼は頑固に「勝敗を追うのは禁止」というスタンスだったが、さすがに2日連続代わる代わる団員を怒らせバトルしたことで、自分は間違っていると思ったようだった。
彼の頑固さは一時的な自己防衛に過ぎない。
実際のところ従順なほど素直で芯がない。
みんなの意見を受け入れ、Aは勝敗を追うことを許諾し、反省していた。
そんな状況だったのにも関わらず、結果は3勝1敗になった。1敗はAの勝敗禁止令が出ていなければ勝てていたかもしれない。
古戦場本戦が終わった。
最終日も勝ちみんなが喜んでいた。
それでもAへの失望感は消えなかった。
(前団で揉めた時からそうだが、まるで団全員が失望感や怒りを感じているような感覚になるが、全員に意見を聞いたわけではない。
あくまでA対幹部の話であることを忘れてはいけない気がする。)
Aはその夜また酒に酔いながら
貢献度が低かった団員の挨拶欄に暴言を吐き解雇宣言をし、その様子をスクショしてツイッターにあげていた。
寄生排除はわかるが、暴言が行き過ぎていた。
そもそも暴言を吐いたら退団という団ルールを作ったのはAなのに。
Aは酒に酔い過ぎてるのか少し支離滅裂な事を言いながら、私がグラブル内で仲良くしているフレンドを攻撃するとまで言い出した。
私はAに初めて怒った。
団員に暴言を吐いたことも。
それから数時間後Aはツイッターのアカウントを削除し、無言で私を団長に任命し、そのまま団を抜けグラブルから去った。
彼の挨拶欄はまたしても
私や団員からの怒りのメッセージで溢れた。
こうして私は団長になった。
Aについて行くと決めた頃に恐れていたような地獄の不倫沼などかすりもせず、本当に全く想像していなかった団長になったのだ。