団長になった経緯。4
こうして新しい団が立ち上がった。
Aは肩にガチガチに力が入っていた。
同時にワクワクしていて、前団でうまく出せなかった行動力をふんだんに発揮した。
下の副団長が私である。
私は二人で新しく家を作るようなこの作業にとても胸を高ならせていた。
間も無くして新団員が入ってくる。
この頃に入団した団員たちは、今思えばAにとても良く似ていた。
Aの人格を細分化したような団員たち。
前団の時のAのように入団から団長に意見ばかりしてくる人。
Aに依存気味で、ヤル気の空回りしてる元団長だった団員。
この頃に入団した人たちは、散々私たちを振り回してわりと短期間で辞めて行った。
実にAによく似ている。
Aは前団と変わらず朝から晩まで団チャにいた。
仕事中こそいないものの、他の時間はほぼいた。
いつもお酒を飲んでいた。
前の団にいたAの友人もしばらくして合流してくれた。
私はAの友人のことも慕っていたのでとても嬉しかった。
しかしまた空回りすれ違い始める。
友人は周囲の目を気にかける、責任感強く真面目な男だった。
友人はAが団チャでプライベートな話を四六時中することに異を唱える。
団長として日頃「今の俺ではダメだ。団のためにもっと良い団長に変わらなければ」と言っていたのもあり、友人の厳しい助言を従順に受け入れる(←何のために団立ち上げたん?)
私は「みんなが何でも話せる団を作りたい」と言ってたAの方針を崩そうとする友人に反論して、この後激しい喧嘩をした。
(恐らく友人は前団で女性団員が激怒したことを教訓にしている。でも女性団員は私のために怒っただけというすれ違い)
私はAを庇って友人に反論したのに、Aは友人の意見を受け入れ、昨日までのAのように何でも団チャで話そうとする私をみんなの前で怒ったのだ。
Aはどんどんブレていった。
私は友人と喧嘩をしたものの、逆により仲を深める結果となった。
そして団を立ち上げて初めての古戦場。
いざ相手団と戦おうとする団員たちを
Aは制止した。
決して団は敗北前提団ではなかった。
恐らくそんな概念も知らなかっただろうし、ただ「勝ち負けに拘らず、箱堀りの結果勝てればなお良し」という少し曖昧な方針だった。
曖昧さ、ブレブレの団長。
私を含めた団員全員の怒りを彼は買う。
Aは頑なに「勝負はしません」と言った。
古戦場の1日目も2日目もそんな感じだった。
団員は呆れ返り、怒り、古戦場の団チャの空気は最悪だった。
前団の時と同じ事態になったのだ。